Vol.06 TGR 86/BRZ Race 2016 富士スピードウェイ
2016.09.07
9月1日(木)練習走行
第5戦オートポリス(大分県)が10月に振替開催(十勝)となり、3か月ぶりで後半戦がスタート。
富士のレースは参加チームがプロフェッショナルとクラブマンの両シリーズ合わせて最大級のエントリーとなる。
チームはテスト走行を通じてできる範囲での準備でレースに臨んだ。
初日の走行枠は3枠を予定、サーキットの状況を確認しながらセッティングを合わせ込むことになる。
路面コンディションと持込みセッティングの確認といきたいところだったが、いつも通り厳しいスタートとなる。
何と今回も前回同様エンジンのパワーが出ないトラブルからのスタートとなった。
1枠目から明らかにパワーダウンが見られタイムも出ない状況で、初日からエンジニアは対応に追われる状況となりました。
午後の走行枠を増やしマシンの確認をすることになり、セッティングを合わせ込むということまでは程遠い状況で初日を終了。
全体的には今回も新型タイヤをリリースしたBS勢が強く、YH勢も2年連続チャンピオンの谷口選手が好調な滑り出しを見せた。
明日は専有走行となるが、準備しているメニューをしっかりこなして頑張るのみ。
今回の研修生は3名、新メンバーが加わり戦う大阪トヨタ86レーシングの奮起を期待しながら初日を終えることとなった。
9月2日(金)専有走行
初日の悪い流れを変えることができるかが2日目のポイントとなる。チームはGY・DL勢の中でも中盤に沈む中からのトライとなります。
早朝の練習走行の感触はマシンの回復が今一つ、専有走行に向けて走行データーをチェックしドライブのシュミレートを行うトモアキ選手とエンジニアは真剣そのもので近寄りがたい雰囲気が漂う。
専有走行は予選順位を上げるためのマシンセッティングのみならず、精神的にもチームにとっては大きなアドバンテージを与えるため非常に大切な走行枠となる。今回も上位はBS勢、YH勢と続く中、GY・DL勢でワークスの平中選手、OTG吉田・服部選手が上位陣に食込む中、トモアキ選手は26位と上位に喰らいつくことすらできない展開となった。
明日のサーキットコンディションを予測しながらセッティングを変更、決勝戦も睨みながら調整を済ませ2日目が終了。
夜は恒例のトモアキ選手が研修生対象に食事を囲いながらの講和の時間となる。
予選前日で気を緩めることが出来ないトモアキ選手だが、エンジニア達にレースの醍醐味などを楽しく話してくれる。
今回も女性社員活躍のプロジェクトチームのメンバーや同行した女性社員も一緒にトモアキ選手の話に耳を傾けながら、決戦に向けてチームの団結力を高めることになりました。
明日は、遠路応援に駆けつけてくれる社員を含めて、32号車にパワーを送り込みたいと思います。
9月3日(土)予選・決勝
今回の富士スピードウェイ86/BRZレースは土曜日の1DAY開催となる。朝早くから各チームは準備に追われる状況で決戦の幕が開けた。
トモアキ選手は朝から集中モードに入る。チームの緊張感も高まり、昨日とははっきりと空気が違う。
予選から応援者が入るのは初めてのことになるが、応援者にも伝わるほどの緊張感で決勝レースとは少し違った醍醐味を感じてもらうことができた。
予選はBS勢とYH勢にGY・DLがどこまで抵抗できるかが見所である。トモアキ選手は冷静にコースインし、慎重にアウトラップを刻み勝負を賭けるがタイムが上がらない。
15位のタイムでマシンを降りて予選を見守る形をとるが最終順位は23位となり、今シリーズ最下位に沈むことになった。
パドックに戻るトモアキ選手の表情はさえないが、全てがうまく行かないと中盤に沈んでしまうのがプロレーサーの意地がぶつかり合う86/BRZプロクラスである。
今回も3位以下23位までが1秒以内という大熱戦の予選であった。夕方からの天候変化も考えられエンジニアは対応に追われることになる。エンジニアはお昼の食事も喉を通らない状況で決勝に向けての時間を過ごすことになった。
平成28年9月3日、定刻の16時55分。予定通り86/BRZレースプロクラスの決勝がスタートした。
ジャストスタートに成功したトモアキ選手はスタートで数台をパスし第1コーナーに飛び込むがここで他車と接触しコースアウト、トップグループでも2位・3位が接触し、1周目からセーフティーカー(SC)が入る波乱の幕開けとなった。
何とか体勢を維持しコースに復帰したトモアキ選手は、ファーストラップで14位まで順位を上げメインストレートに戻ってきた。
3周のSC走行の後、再開したトップドライバー達の意地のぶつかり合いはトップで逃げる佐々木選手以外はどこのグループでも白熱した展開となった。
トモアキ選手も予選から10番手上げ13位でフィニッシュ。決勝のラップタイムは最終ラップでも予選を上回るという猛チャージを見せてくれた。
決勝レースはスタート直後、第1コーナーでのハプニングから始まり、最後までハプニングが続くことになる。
何と荒れた決勝レースはSC走行中の追い越しを含め、ペナルティが14台という過去に例が無い終演となり、第2集団を形成していたトップドライバー達が下位に沈む正式結果となった。
しかし、結果的には余裕の完全優勝を飾った佐々木選手や意地のファステストラップの阪口選手など、BS強しの印象が大きくクローズアップされた今回の富士スピードウェイとなりました。
チーム コメント
3か月のインターバル後の戦いとなりましたが、今回は完敗といった内容で終わりました。
レースウィーク中のコミュニケーションの改善が図れず下位に沈む結果となりました。
また、ペナルティも受け次回にも課題を残したことなど反省することばかりです。
準備からもっと繊細に行うことや特にレースウィーク中を冷静に進めることが最大の課題です。
スポットを浴びるドライバーと縁の下から支えるエンジニアがお互いを認め、メンバー一人ひとりが理解し協力し合うことが必要です。
もう一度原点に振り返って、弱小の素人集団が結果を出すには、速いマシンを創り上げるための愚直な努力をしていきたいと思います。
良い道具をねだるのではなく良い仲間を求めて強いチームにしていきますので、我々を信じて応援いただいているサプライヤー様や多くの社員の皆様方におかれましては、今後も変わらず大きな支援を賜ります様にお願い申し上げます。
まだまだカイゼンを行いチャレンジして行きたいと思いますので期待しておいてください。

Vol.04 TGR 86/BRZ Race 2016 富士スピードウェイ
2016.06.08
6月2日(木)練習走行
富士スピードウェイで行われる86/BRZ
RACE第4戦は前半戦の締めくくりとなり、参加チームはプロフェッショナルとクラブマンの両シリーズ合わせて過去最高となる124台がエントリー。
プロクラスも出場枠一杯の45台がエントリー。
シリーズポイントは昨年度2位の阪口良平選手がリード、大阪トヨタ86レーシングは昨年度ノーポイントに終わるも、開幕より連続ポイントを獲得しており、グッドイヤータイヤ(GY)勢としては地元富士での好成績が必須。
タイヤメーカーの争いも今シーズンを占う大事な一戦となることは間違いない。
苦戦が続くチャンピオン谷口信輝選手も前回投入されたヨコハマタイヤ(YH)を改良して持ち込んできている。
初日の走行枠は3枠、朝一の1周目から好タイムでスタートしたトモアキ選手であるが、オーバーステアのセッティングと原因不明のエンジンのパワーダウンにみまわれ、午前中の走行枠を満足な状況で走行できず苦戦のスタートとなった。
しかし現地のエンジニアと社内のエンジニアの連携の下、トラブルへの対処が図られ、午後の走行を追加した32号車の車両状況は上向きに方向修正がおこなわれ初日の走行を終えることができた。
今回も新しいエンジニアが参加し現地で活躍している。毎回新メンバーが加わりながら成長していく大阪トヨタ86レーシングチームにとって、社内のエンジニアとの連携は欠かせない。
トラブルが発生する中、今後のテーマも見つけたエンジニア達の初日は2日目に備えたメンテナンスを実施し終了。
6月3日(金)専有走行
昨日のエンジントラブルの影響はどうなのか?メンテナンスの成果を見極めるべく朝の練習走行を開始。
朝一の状況ではエンジンパワーは回復している様子ではあるが、セッティングを煮詰めることが出来ず、依然オーバーステアが残り、タイヤ選択にも迷いが生じてしまう。
サーキットは毎回違う顔を見せチームを悩ませる。
同じサーキットでも同じ状況は一度もない。そんな中、BS勢は快調にタイムを更新する。
前回投入され改良が実施されたYH勢もタイムを縮めてきた。タイヤの勢力図に変化が見られる状況下、専有走行に挑むトモアキ選手。
他チームの情報も加味し慎重にコースインする。しかし専有走行の結果は18番手。今シーズン最下順位となる。
やはりBS勢が速さを見せつけトップタイムはシリーズポイントをリードする阪口良平選手が奪う。
ダンロップタイヤ(DL)の吉田広樹選手が7位に食込むが、次からYH勢が続き、14位にDL服部尚貴選手、GY勢は15位の平中克幸選手がトップで、次が18位のトモアキ選手と沈んでしまった。
6位までBS勢が独占した形で専有走行は終了。
地元のGY勢が明日の予選でどう巻き返しを図るのか?連続入賞がかかるトモアキ選手の活躍を願い最善のマシンを提供しようとエンジニア達は予選に向けたセッティングをおこなう。
一人ひとりが非常に忙しく作業をこなす。
トップとはまだまだ差が詰めきれない状況であるが、チーム全員が32号車の躍進を目指し力を合わせて作業に没頭し2日目終了。
6月4日(土)予選
昨年秋、富士スピードウェイで行われたトヨタガズーフェスティバル(TGRF)でポールポジションを獲得したトモアキ選手が乗車する大阪トヨタ86レーシング32号車にとって半年ぶりの富士での予選となる。
しかしタイヤの勢力図は変わりBS勢とYH勢が力を発揮する中で挑戦者としての戦いである。
渋滞を避けるようにスタートしたトモアキ選手は絶妙なアウトラップを刻み、今回の自身最高タイムを叩き出しピットにマシンを止める。
専有走行の上位ドライバーはトモアキ選手のタイムを見ながらアタックを仕掛ける。予選用にマシンを乗換えた谷口信輝選手がラスト5分で勝負をかけるがタイムを更新できない。
トップはYH勢の近藤翼選手が奪いYH復活をアピール、2位に前回菅生での優勝者佐々木雅弘選手(BS)が入り、以下はYH・BSと6位まで交互に続いた。
トモアキ選手はGY勢トップで全体7位と善戦するもGY・DL勢は11位に服部尚貴選手、16位に佐藤普也選手と上位に入ることが出来なかった。
予選結果を観るとYH・BS勢の後をDL・GY勢が追う専有走行の結果通りの順位で終了した。
毎回1秒以内に20台という大熱戦となる86/BRZプロクラスの激戦はワンメークレース史上最も熾烈なレースへと発展したことが証明された。
明日の決勝は連続入賞を目指し、開幕からのポイントゲット継続にチャレンジする。
今回は女性活躍プロジェクトの「大阪トヨタBRさくら」のメンバーも「社員へ楽しみを伝える活動にしよう」と視察を兼ねて合流。
夜はトモアキ選手より参加エンジニアへの講和の時間となる。お疲れの中、予選までの話を中心に職場で心掛けることなど、会社の代表者としての声をメンバーとの意見交換で話してくれた。
エンジニア達へ精一杯語りかけ、楽しませてくれるトモアキ選手にはいつも頭が下がります。この日の経験を忘れることの無いように次回参加するエンジニアに引継いでもらいたいものです。
トモアキ選手からは弊社の「BRさくらプロジェクト」についても興味深く意見を聴かれ、話は尽きませんでしたが、最後は明日のポイント獲得をかけた決勝レースへの話で締めくくることになりました。
6月5日(日)決勝
朝から雨が降り決勝の状況が読めないレースとなりました。大阪トヨタ86レーシングのパドックには朝早くから応援に駆けつけてきた社員も混じる。
今回も予選10位までが優先入場となり、パドックキッズがスタート位置で待ち受ける。
決勝の模様もYouTubeで生中継されるという富士スピードウェイならではの企画もあり、入場ゲートは賑やかで緊張感も高まる。
決勝直前には雨が止み非常にセッティングが難しく、エンジニアはスタート直前までマシンを調整することになる。
いつも以上にトモアキ選手とエンジニア達の気持ちは高まりスタート準備が進む。スターティンググリットに着くトモアキ選手を囲むエンジニア。
シグナルが変わり緊張のスタート!路面は濡れており第1・2コーナーから大混戦となるがトモアキ選手は接触しながらも巧みに混乱を抜ける。
ここからの序盤3周目までは混戦が続くもトモアキ選手は順位を8位でキープし決勝のペースを落とすことなく周回が進むごとに前方のマシンを攻め順位を上げにかかるが、6周目からまたもや雨が降り始める。ここからはウェットコンディションに強いBS・YH勢がタイムを上げる展開となりましたが、トモアキ選手は耐えながらも9周目に順位を6位まで上げる。
最後は最終ラップのBコーナーで順位を落としてしまうが7位でゴール。
優勝はポールポジションからスタートの近藤翼選手が今シーズン初優勝を飾り、上位6台がYH・BS勢とタイヤ戦争は違う顔を見せ始めた。
トモアキ選手は懸命の走りを見せ、GY勢でトップとなるが、後半戦に向けて厳しい状況になる。
シリーズポイントを継続したトモアキ選手はパドックに車を戻し悔しそうな表情を見せるが、精一杯のドライブには満足した様子。
応援のエンジニア達にもレースの状況を話し最後まで楽しませてくれた。最善を尽くした7位はエンジニアにとっても満足のいく結果となった。
チーム コメント
昨年は特別戦ではあるものの、富士スピードウェイではポールポジションを獲得していることもあり、今回は結果の出せるレースにしようと臨みました。
開幕戦からの調子を維持しジャンプUPを目指しましたが7位という結果で終わりました。
レースウィークにおいては毎回トラブルが発生するもので、今回もエンジンパワーが落ちるといった不具合に見舞われましたが、今回は現場の踏ん張りと本部のサポートにより、トラブルを克服できることができました。
後半戦に向けての課題も明確になっているので、次回の富士スピードウェイ(9月)までの期間にしっかり準備して行きたいと思います。
サポートいただいたサプライヤー様や社員の皆さんがもっと喜んでいただける様頑張りますので、引き続きご支援をお願いいたします。

Vol.03 TGR 86/BRZ Race 2016 スポーツランドSUGO
2016.05.18
5月12日(木)練習走行
シーズン3戦目となる86/BRZ RACEは宮城県のスポーツランド菅生での開催。大阪トヨタ86レーシングチームは前回開催の岡山国際サーキットにてテストを実施し菅生に乗り込む形となる。
今年は毎大会、前年の実績を超えることを目標にレースに挑んでいます。
事前の情報で、菅生はレースウィーク初日からドライセッティングでの戦いが予想され、また、タイヤメーカーの戦争となっている86/BRZレースは、前回NEWスペックで勝利を飾ったブリジストンタイヤ(BS)に続き、今回は2年ぶりにヨコハマタイヤ(YH)がNEWスペックのタイヤを持ち込むという。
ブレーキについてもタイヤのグリップ力が上がり負担が大きくなっているため対応も急がれる。
そんな中、今回もディクセル様の協力でNEWパッドを菅生で試すことになった。
初日は2枠の走行予定でブレーキをメインに確認し使用パッドを決定する。
しかし、前大会から悩まされているシフトトラブルが再発し今回も現地にてトランスミッションの交換を余儀なくされ初日終了となる。
タイヤとセッティングについは翌日1本きりの専有走行に託す苦しい展開となった。今回もエンジニアは店舗から参加。
中堅エンジニアと若年エンジニアがレースウィーク中にバトンタッチする研修スタイル。厳しいレース現場での実践が彼らを成長させてくれるものと思います。
5月13日(金)専有走行
昨日の懸命なメンテナンスも終了し、セッティングを中心に再度ブレーキとタイヤの確認を公式のタイムアタックで行う。
初日の練習走行でベストタイムは5番手前後をようやく1本出せたものの、平均の走行タイムは10番手前後とベストを見極められない中、専有走行に挑む。
今回は周りを観る余裕も無く、エンジニア達が懸命に車を仕上げるという展開で何とか他チームにしがみついている状況下、専有走行の結果は7位。
前戦に投入され上位争いを繰り広げたBS勢が力を発揮する中、今回はここ数戦になくバタついたレースウィークでありましたが、ここを切り抜けてこそチームとしてのポテンシャルも上がると思われます。
夜遅くまでメンテナンスを行い2日目を終了。
5月14日(土)予選
練習走行を通じBS勢が有利の中、予選が始まる。
アウトラップを予定通りこなしアタックに入るトモアキ選手。グッドイヤータイヤ(GY)のベストアタックはアウトラップ直後の1回。
タイヤとブレーキがベストな状況下で究極まで1周の速さを引き出し、決勝レースをより良いグリットで向かえることが決勝レースの順位をも決定づける86/BRZプロクラス。
快調にセクターごとのタイムを刻むトモアキ選手に第3セクターでまたもや不運。懸念していたシフトトラブルが発生しコースアウトしかけるマシン。
しかし何とかマシンコントロールしコースに戻る。一番おいしいファーストアタックをトラブルで逃したもののトモアキ選手は冷静にマシンの姿勢を整え2度目のアタックに挑む。
結果は公式戦予選、過去最高位となる4位を射止めた。今回も上位10台が1秒以内でコースレコードを更新。
しかしBS勢が上位に入りポールポジションもGETするという状況は予想通りの結果と言える。
予選3位の選手が前回のペナルティで決勝レースは10番手グリット降格処置を受けるため、決勝は3番グリットからのスタート獲得。
公式戦初の表彰台がかかるレースにチャレンジすることとなった。お疲れのところではあるが、夜はいつもの通り、研修参加のエンジニアを囲いトモアキ選手からメンバーに経験談など楽しい話を聞かせてもらう時間となる。
レースウィークの短い期間であるが、これも若いエンジニア達にとっては、貴重な時間となります。
5月15日(日)決勝
3番グリットスタートとなる大阪トヨタ86レーシング ゼッケン32。
BS勢の猛追による苦戦が予想される決勝レース。表彰台を目指すトモアキ選手であるが優位性は無い状況。
出走前にCATVで放送しているモーターゲームスから取材を受けるトモアキ選手のコメントにもBS勢の脅威がうかがえる。
今回はどれだけ冷静に決勝ペースの速い車の猛追を抑えるかが焦点となる。アウトラップからスターティンググリットに戻ってくるトモアキ選手はスタートに集中する。
なんとかBS勢に挑んでほしいと期待が集まる中スタートが切られた!BS勢に囲まれ第1コーナーに飛び込むも早くも2台に交わされる展開。 5位でメインストレートに戻るって来るが予想通り序盤からBS勢が逃げる展開へと突入。
我慢の展開は予想できたもののBS勢とのタイム差は予想以上。10番手スタートのBS勢山田選手が猛烈に追い上げてくる。
山田選手はOTG服部選手をも交わしピタリ後方に迫る。混戦となり一気に順位を落とすことを避け、明らかにレースペースに差がある山田選手にだけ順位を譲り、後続車を抑え込む作戦にでる。
周回数をたっぷり残す中、後続車は日本を代表するプロレーサー達ばかり。
入れ替り立ち代りアタックを仕掛けられるが必死に順位を守るトモアキ選手。懸命の走りを見せそのまま順位を守り切り過去最高位の6位でのチェッカーとなった。
チーム コメント
3番グリットからのスタートで表彰台を目指した決勝レースでしたが、BS勢の力は予想以上でした。
レースペースが違い過ぎ6位を守るのが精一杯でしたが、チーム過去最高位の結果となり、レースウィーク初日の状況からすると非常に良く踏ん張れたと思います。
ヨコハマタイヤがニュースペックを持ち込むことやブリジストンタイヤの好調さが予想される中、今回は万全と言える状態でレースに挑むことが出来ず、コミュニケーション不足によるマネージメントに課題を抱えました。
そんな中、現地では参戦したエンジニアとドライバーが自力で問題を解決できたことが収穫です。
レースはトモアキ選手の頑張りに支えられたことに尽きますが、開幕以来の連続のポイントを継続し、モチベーションも継続できました。
次戦はより良い形でレースウィークに入れるように頑張ります。
今回もサポートいただいているサプライヤー様の御協力で順位を上げることが出来ましたことに御礼を申し上げるとともに、いつも応援してくれている社員の皆様方、本当にありがとうございます。
今回参加したエンジニアの皆様には今後の店舗での活躍を期待しております。
Vol.02 TGR 86/BRZ Race 2016 岡山国際サーキット
2016.04.27
4月21日(木)練習走行
86/BRZ RACE第2戦、岡山国際サーキットは我々大阪トヨタ86レーシングチームにとってテストで使用するサーキットであり、今年も昨年同様、新人エンジニア研修を兼ねて参加します。
昨年はタイヤのモデルチェンジに戸惑い、性能を引き出すことが出来ずに悔しい思いをしたサーキットです。昨年度の経験を活かすことが今年のテーマでもあるので、今回は事前に打合せを行いストラテジーを立てて挑みました。しかし、天候は朝から雨が降る予報、チームは急遽雨のストラテジーも立てレースウィークを向かえました。予想通り当日は雨模様。持込みSETで車両の状態をチェックする予定でしたが、初日はブレーキの当たり付けのみで完了し、車両の感触を得ることができず。
今回もエンジニアは店舗のエンジニアを中心に研修スタイルで実施。希望者のエンジニアを含む5名の参加。その中の3名は昨年実施した新人エンジニア研修に参加したエンジニア。ハチロク研修に参加した社員のハチロク購入率も高く、車に触れることの重要性を実感します。店舗でも活かしていければと思います。
4月22日(金)専有走行
昨日の雨の影響で朝の練習走行を1本増やし専有走行に挑むことになりました。
他チームの情報を素早くキャッチし対応することが望まれ、エンジニア達は非常に忙しくなる1日となる。
今回は若いエンジニアが多く、対応できるのか不安でしたが、専有走行は5位のタイムで終了。
感触は上々ですが、他チームも雨の影響でセッティングが合わせ切れていないところを考えると、冷静にみて10位前後とあと一歩の仕上がりです。
午後の練習走行では足回りの微調整などで若干のタイムアップは図れたもののトップとはまだまだ差が詰め切れず、予選に向けた最後の整備に時間を費やすこととなる。
トランスミッションも異常が見られ、急遽エンジニア達は交換作業を行いました。タイヤが高性能になり、ブレーキの負担が大きく、課題となって出てきましたが、ブレーキの当たり付とタイヤの感触を確認し2日目を終了しました。
4月23日(土)予選
昨年度の岡山国際サーキットでの予選ではアウトラップで渋滞し、タイヤが暖まらない状況でアタックを余儀なくされた。
今回は経験を活かしベストスタートを切るも、結果は10位。
専有走行から順位を落とす結果となるが、車両の仕上り状況からみるとベストアタックとなりトモアキ選手は満足な顔を見せた。
1秒以内に22台がひしめく大熱戦となった今回のプロクラス。明日の決勝は2戦連続でのポイントゲットにチャレンジすることになる。
岡山の夜は恒例の「和歌山トヨタのメンバーとの意見交換会」。
レースウィークの短い期間での経験談を若いエンジニア達が話し合い仲間意識が高まる。店舗に帰ってもお互いの刺激になればと願います。共に決勝レースでの健闘を誓い合い意見交換会が終了。
4月24日(日)決勝
朝から大阪トヨタの新人エンジニア31人がレース体験の研修の為、岡山国際サーキットに集合した。
決勝レース前の緊張感が高まる中にもかかわらず、トモアキ選手はエンジニア達に86/BRZレースの見どころや車両の解説で楽しませてくれた。
エンジニア達の気持ちが高まりスタートの準備も進む。スターティンググリットでゼッケン32を囲むエンジニア達の声援を受け気合が入るトモアキ選手。
シグナルが変わりスタート!第1・第2コーナーと混戦の中、アウトに膨らむ車両を交わせず接触し順位を落とす。
2周目も混戦となり第2コーナーに向かうところでコース外へ押出され砂煙をたてる。
一次、14番手まで順位を落とすが、ジワリと前方に迫り11位まで順位を上げるが服部選手を捕まえることができない。
逆に後半はタイヤが辛くなりペースを上げることが出来ない。
初戦でシリーズ初ポイントを獲得したが、ポイント圏内の10位に届かず11位でフィニッシュを向かえた。
トモアキ選手はパドックに車を戻し悔しそうな表情を見せるが、精一杯のドライブには満足した様子。
応援のエンジニア達にもレースの状況を話し、楽しませてくれた。最善を尽くしたチームに届いたリザルトには10位!の記載があった。
前方車両のペナルティによる繰上げ順位も、開幕2戦連続のポイントGETとなり次回のレースへの励みとなった。このポイントは今後に大きな影響を与えるであろう!
チーム コメント
今回は新人エンジニアの研修ということで、普段のレース以上にチームのメンバーは忙しいレースウィークを過ごすことになったと思います。
初日の雨でストラテジーが変更になる中、初参加のエンジニアには戸惑いもあったと思いますが、先輩エンジニアの指導の下、しっかりと作業をこなしていました。
最終リザルトは10位入賞で2戦連続のポイント獲得となりましたが、今回も小さなミスが重なり課題が残りました。次回も今回同様、雪辱戦となる菅生での戦いです。
日程的に厳しい状況ですが、チームの総合力を上げて戦い抜きたいと思います。
応援に駆け付けてくれた50人を超える社員の皆様のおかげで今回の結果に繋がりました。

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