Vol.03 TGR 86/BRZ Race 2017 富士スピードウェイ
2017.06.07
6月1日(木)練習走行
前日の雨が午前中まで残り、午後からのスタートなったレースウィーク。前回オートポリス戦の雪辱を晴らすべく練習走行に挑む。
しかし1本目のセッションからエンジン警告灯が点灯するという波乱の幕開けとなった。
メカニックの冷静な判断と迅速な対応、予定の遅れを取り戻すべく、チーム一丸となり各セッションのメニューをこなす。
刻々と変化する路面コンディションにセッティングが定まらない。不安と焦りの入り混じる中、時間だけが刻々と過ぎる。この日は課題を残したまま練習走行計4セッションを終えた。
6月2日(金)専有走行
昨日の天候から一転、 快晴に恵まれる。しかし 時折突風に見舞われ、パドックのテントが浮くアクシデントも発生。
この日は練習走行・専有走行の計2セッション。この2セッションで昨日の課題を克服しなければならない。
朝一のセッションは、コース清掃後ということに加え、路面温度も低いことからタイヤのポテンシャル(グリップ)を最大限に生かすことができ、マシンのセッティングが決めやすい。
結果的にこの練習走行でマシンセッティングの方向性が見えてきた。昼からの専有走行は翌日行われる予選時間帯とラップする。
マシンのセットアップが決まれば予選上位が見えてくる。
路面温度が15 ℃上昇するコンディションに翻弄され、23番手の順位に沈むが、セッティングやタイヤ内圧の方向性を確認できたことは収穫であった。
走行後の点検、車両整備を終え、明日の予選準備を整える。
6月3日(土)予選
昨日の強風も収まり快適な陽気に包まれる。公式車検を早々に済ませ、マシンを並べる準備に入る。
マシンのコースインタイミングも重要で予選タイムに影響を及ぼすことがあり、ここでも各チームの作戦が交錯する。
路面温度が昨日を超える39.1℃の状況の中、12時40分公式予選スタート。緊張の一瞬である。
早々にコースに飛び出し、アウトラップで入念にタイヤ、ブレーキを温める。市森選手のアグレッシブなアタックで好タイムが期待される。
しかし序盤でアウトラップ中の他車にラインを阻まれるというアクシデントに見舞われ、タイムを失う。
結果的に2分4秒444という18番手タイムに。(トップとのタイム差0.6秒)レースの世界に「たられば」はないのだがあのアクシデントが無ければ・・・と悔やまれる結果に終わる。
6月4日(日)決勝
予選終了後の車両保管が午前10時に解除となり、各チームわれ先にとマシンを回収し決勝に向け、マシンの整備を入念に行う。15時スタート進行。
路面温度31.5℃と昨日ほどではないがスタートまでは気を抜けない。決勝に駆け付けていただいた100名弱の応援者がグリッドで待っている。手には「GO A HEAD!!市森 友明」のプラカード。
ドライバー、チームクルーともに自然と力が入る。スタートの時間が迫り、グリッド上から応援者、チームクルーが離れ、オープニングラップがスタート。市森選手は車両フィーリングの最終確認を終え、再び18番グリッドに並べる。
エキゾーストノートが高まりスタート。
1コーナーまでの波乱とすり抜け、順位を一気に12番手まで上げるが、1周目後半、前方の車両に接触しコースから飛び出してしまう。その隙に数台にパスされ、17番手まで順位を落とす。
その後も果敢にアタックを試みるが、ペースも上がらない。膠着状態が続き、結果的に順位を1つ上げた17位でレースを終える。
チーム コメント
レースの世界に「たられば」はありませんが、予選のアクシデントがなければチームとして今シーズン最高のポジションを狙えただけに悔やまれるレース結果となりました。
しかし、チームクルー各々が自らのポジションを把握し、自身で考え行動する事などチームワークを実感できたことなどの収穫もあり、チームとして成長を感じるレースウィークであったと考えます。
次戦7月2日(日)岡山国際サーキットでは今回の悔しさをチーム力に変え、貪欲に順位にこだわりたいと思いますので、変わらぬご声援をよろしくお願いします。

Vol.02 TGR 86/BRZ Race 2017 オートポリス
2017.05.10
5月5日(金)練習走行
チームとしてもドライバーとしても2年ぶりのオートポリス。手探り状態でのレースウィーク突入となる。
開幕戦のツインリンクもてぎの反省を踏まえ、事前テスト(岡山国際サーキット)のセッティングの感触を確かめる。足回りの微調整タイヤの空気圧等を確認しながら、計5セッションを走行。
模索しながらの当日ベストは、2分14秒58にとどまった。 (一昨年のオートポリス予選トップ2分14秒09)
5月6日(土)専有走行
今にも雨が降り出しそうな天候の中、専有走行前のセッションは、2分15秒09と思うようにタイムが伸びない。
オートポリスは標高が高く、天候が不安定。セッション直後に濃い霧が発生。数メートル先も見えない状況から、セッション継続は危険と運営側が判断し、一時中断となる。
夕方、徐々に天候が回復。霧も晴れ専有走行に挑む。上位陣が2分12秒台をマークする中、2分14秒34と遅れをとる。
明日の予選に向けて課題の残る結果となった。
5月7日(日)予選
予選・決勝を1日で開催する1DAYとなったオートポリスラウンド。不安定な天候の中、昨夜降った雨によりコースの路面状況が心配されたが、夏を感じさせる陽射しとなり、路面は完全なドライコンディションとなる。
プロフェッショナルシリーズの予選は9時35分から20分間という限られた時間の中、タイヤの性能を最大限に生かせるのは1周のみ。
タイムアタックのタイミングを見計り、鋭い眼差しでコースを見つめる市森選手。チームクル―全員が見守る中コースイン。市森選手が渾身のアタックを仕掛ける。
専有走行を1秒以上も上回る2分13秒113のタイムを叩き出すも、26台中17番手とプロフェッショナルシリーズのレベルの高さを痛感する予戦となった。(トップタイム:2分11秒637)
気持ちを切り替え、マシンをセットアップ決勝に備える。
5月7日(日)決勝
予選終了後から4時間のインターバルを経て行われた決勝レース。
決勝直前、ピットロードでの路面温度は27℃であったが、グリッド上での路面温度はなんと35℃を越えており、短時間での路温変化に気づいたチームは、グリッド上でタイヤ空気圧を即座に下げる対応をとる。
マシン・ドライバー共に厳しいコンディションの中、決勝レーススタートとなった。
レース序盤の2周目に上位を走行するマシン2台が接触、リタイヤを余儀なくされる。しばらく膠着状態が続くも32号車前方を2台がバトルしている隙を市森選手は逃さず2台を見事パス、更に順位を上げる。
しかしグリッド上でタイヤ空気圧を下げたチームが上位を占める中、路温変化に気づけなかった大阪トヨタ86レーシングは、その後ペースを上げる事が出来ず万事休す。
後方からの追い上げに耐える苦しいレース展開となり、13位でチェッカーを受ける。ポジションは4つ上げたものの、新たな課題を残す結果となった。
チーム コメント
震災の影響で2年ぶりの開催となった第2戦オートポリス。慣れないサーキットと言う事もあり、手探り状態でのレースウィークでした。
今回は開幕戦ツインリンクもてぎ、初のリタイヤの悔しさ、反省を踏まえ、万全の体制で挑みました。
しかしながら完走は出来たものの、予選・決勝を含む全てのセッションにおいて課題の残る1戦となってしまいました。
次戦は6月3日、富士スピードウェイでの開催となります。今一度原点に立ち戻り、チーム一丸となって挑みますので、ご声援頂きます様、よろしくお願いします。

Vol.01 TGR 86/BRZ Race 2017 ツインリンクもてぎ
2017.04.05
3月31日(金)特別スポーツ走行
今年度からレギュレーションの変更により未使用タイヤでの予選スタートとなりタイヤでのタイムアップは見込めない状況。
今期より新しく投入した後期モデルで初のツインリンクもてぎ、走行枠の30分はあまりに限られている。
昨年の経験からも激しいブレーキングを繰り返すもてぎのコースはブレーキセッティングが命運を分ける。各チームの状況も伺いつつ、チームは入念に新型車両でのチェックを進める。
しかしながらブレーキタッチに不安を感じ、対応としてはブレーキパッドをリフレッシュして午後からの専有走行に挑むこととなる。
3月31日(金)専有走行
後期モデルを投入して初の公式タイムアタックとなる。
前期・後期モデルの最も大きな変更点はディファレンシャルの減速比が4.3(+0.2)へと変更され、各コーナーでのシフト選択が昨年までと全く異なる。
各チームブレーキに不安が残る中ではあるが、市森選手は懸命のタイムアタックを仕掛ける。LAP3で昨年予選タイムに迫る2’19.372(+0.33)をマーク!
その後も時間の限り走行を続け計10周を走行、12位の順位で専有走行を終えました。
4月1日(土)予選
昨夜の雨による路面コンディションが心配されたが、予選開始前に路面は完全ドライとなり、各チームピットレーンにマシンを並べる。
86/BRZ Raceでは車両の性能差が出にくいワンメイクレースという性格上、予選の結果が決勝レースの展開を大きく左右する。
昨日の専有走行の結果を見る限りポイント圏内のグリッドを獲得するのは容易ではない。未使用タイヤでの予選スタートとなる為、市森選手は入念にタイヤを温める。
またブレーキ勝負となるサーキット、決勝に向けてのタイヤ温存等を考慮しつつ然るべきアタックの時期を見極める。
少ないチャンスの中懸命に仕掛けるが、タイムを伸ばせず予選を終える。結果は26台中17位と課題を残した。
4月2日(日)決勝
昨日の曇り空から一転、好天に恵まれ春らしい日差しに包まれた日曜日の決勝レースは10周で争われ、17番グリッドから上位を
伺う。予選/決勝間で車両整備ができずマシンセッティングに不安は残るが、市森選手の走りでどこまで順位を上げられるかチーム全体の緊張が高まる。
決勝レース、チームの想いを背負い市森選手はスタート直後の混戦をかき分け勝負を仕掛ける。周回を重ねる毎に1台をかわし順位を3つ上げ一時は14位まで上がった!
しかしここに来て予想していた不安が的中する。マシントラブルにより僅か4周でレース継続を断念することとなった。
チーム コメント
参戦3年目にして初のリタイアという結果にはなりましたが、改めてこの86/BRZ Raceの厳しさとこれまで全てのレースを完走できていた裏側にはパーツや技術に関するメーカー様のご支援やドライバーの市森選手とチームの只ならぬ努力があることも痛感させられました。 新たな課題を持ち帰るレース結果となりましたが、各メーカー様、ドライバーの市森選手と今一度力を合わせ乗り越えていきたいと思います。
次戦はゴールデンウィーク最後の日曜5月7日に開催される大分・オートポリス。
昨年震災により開催中止となったため、約2年ぶりの九州開催となります。万全の態勢で挑みますのでどうぞご期待ください!

Vol.09 TGR 86/BRZ Race 2016 富士スピードウェイ
2016.11.30
2016年シーズン最後のレース!舞台は富士スピードウェイ。
前回の鈴鹿にてランキングは決定しているが、大阪トヨタ86レーシングチームにとってはシーズンどこまで成長できたのか確かめる貴重なレース。 今年度圧倒的な強さを見せるブリジストン(BS)勢に巻き返しを図るべく、
富士第4戦より新タイヤを投入したヨコハマ(YH)、十勝戦よりグッドイヤー(GY)・ダンロップ(DL)タイヤ勢復活の兆しもありタイヤメーカーバトルもこの富士特別戦が最終戦となる。 週半ばの積雪、決勝前夜の雨、D1車両のデモラン・ヴィッツレースによる路面の状態もマシンのコンディションに大きく影響を与えることが予想されるレース展開の全く読めないレース展開となりました。
鈴鹿サーキットで行われた最終戦で年間8戦のシリーズが終了しているTOYOTA GAZOO Racing 86/BRZレースですが、年間のポイントランキング上位20位以上のチームが招待される特別戦が11月27日に富士スピードウェイにて開催されました。
“大阪トヨタ86レーシング”チームも昨年に引き続き上位12位の位置につけていた為、この晴れ舞台にご招待を頂きました。
各チーム共、本気のプロドライバーの参戦となり、去年以上の盛り上がりでした。24日の練習走行並びに25日の専有走行(公式タイム計測)に万全の態勢で挑むべく23日に現地入りするも、前日からの雪の影響で両日とも中止となり、大変厳しい幕開けのレース開催となりました。
前回の鈴鹿戦でランキングは決定した今年度の86/BRZレース活動でありましたが、来年度を見据えた中で、もう一度本年度の総括としてこのチームでどれだけの順位とタイムを残せるのか、今一度確認ができる他にないチャレンジの場と位置付け参加することとなりました。今回も各自がテーマを持ってこの特別戦に挑み、役割をしっかり果たすことで86/BRZプロクラスで、「どの位置まで成長できたか?」、「昨年の実績を上回れるのか?」確かめたいと思います。
11月26日(土)予選
今回のレースは今までに経験のない、練習走行無しのぶっつけ本番で予選のスタート。今年1年間の活動の真価が問われる瞬間。
トモアキ選手は慎重にアウトラップをこなし、タイムアタックに入る。しかし周半ばの雪が大きく影響しコースは所どころ濡れた場所が残るコースコンディション。
周りの気温も低くタイヤの発熱に影響、思った以上に温度が上がらずペースを上げる事が出来ない苦しい周回が続いた。
そんな状況下でも落ち着いた走りを見せ4週目にベストラップを出しマシンをピットに向けた。
コースの状況をじっと見つめるトモアキ選手、明日の決勝を見据えてタイヤを温存するか更にタイムを削るべくラップを重ねるか限られた時間の中で難しい選択を迫られる。
悩みに悩んだ未ピットを出るもプロ・クラブマン混走という難しい環境下で思うようにペースを上げる事が出来なかった。
予選の暫定結果は10位だが、他チームがペナルティを受けたため、順位を一つ上げ9位と上位入賞圏内のポジションを獲得することとなった。
明日の決勝に磐石の体制で挑むべくマシンセット見直しを実施。段取り良く整備を行い初日は終了した。
11月27日(日)決勝
決勝当日、前夜から降り出した雨は明け方に上がったものの、冬の曇り空の下では、路面はなかなか乾かず、セミウェットの状態となる。
朝からのイベントやヴィッツレース等の車両走行によりレコードライン付近は乾き始めて行ったことでレース展開が全く読めない状況が重なる。
しかしながらトモアキ選手にとって富士スピードウェイは得意なコースであり昨年の特別戦ではポールポジションを獲得した実績もある。今回も何かが起こりそうな予感。
スタート直後混乱に巻き込まれる事もなく、冷静にスタートを決めレース序盤からコンスタントにタイムを刻むトモアキ選手、周回を重ねるごとに順位を上げ、8周目に5位までランクアップ!
そのまま強豪ひしめく上位勢の中で順位をキープし、今季最高順位の5位でチェッカーフラッグを受けた!
今まで蓄積してきたデータ、積み重ねてきた分析が活かされた瞬間でもあり、各自が役割をしっかり果たす事ができ、チームの成長を実感できるレース結果となった。
チーム コメント
今回で2回目の特別戦への参加となりました。
繰り上がり参加となった前回と違いTOP20に入り、自分達で勝ち取った出場権であり、昨年以上に参加チームの盛り上がりを感じながらも大阪トヨタ86レーシングチームとして、シリーズ戦最高位以上の結果を目指し挑みました。
雪の影響でレースウィークに持ち込んだメニューがこなせずにぶっつけ本番となったレースでありましたが、「実力テスト」とチームで理解し全力投球で、
今持っているチーム力を試す良い機会となりました。
結果、「予選シングル・決勝5位」と最低限の目標もクリアすることができ、チームの成長を感じた良い締めくくりとなりました。
来年度は「当社創立90周年」を向かえ、より一層盛り上がり、社員の皆様と一緒に喜び合いたいと思いますので、ご支援を宜しくお願い致します。
一年間、ご支援いただいたサプライヤー各社の皆様方には来年度の活躍を約束いたしますので、引き続きのご支援をお願い申し上げます。本当に有難うございました。

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