Vol.08 TGR 86/BRZ Race 2017 スポーツランドSUGO
2017.09.05
9月29日(金)スポーツ走行、占有走行
今シーズンも残すところ3戦となった86/BRZ レース。
第8戦は宮城県のスポーツランドSUGOにて開催された。 大阪トヨタ86レーシングからは市森・阪口両ドライバーが参戦。どちらのドライバーも菅生を得意としており、おのずと期待が高まる。
今回のレースウィークは9月29日(金)の専有走行からの現地入りとなり、少ない走行本数でセットアップを行う必要があり、決勝レースでは抜きどころの少ないサーキットとして有名な菅生の為、予選でいかに上位に入れるかが鍵となる。
#32 市森選手は富士のセットアップを元に走行を重ね、予選、決勝時のタイヤ内圧データを蓄積し#90 阪口選手は前戦の富士から続くリヤのオーバーステアに悩まされながらも、担当エンジニアとの話し合いの中、着実にセットアップの方向を決めていく。
午後に行われた専有走行では公式タイム計測が開始され現時点でのライバル勢とのタイム差を確認。菅生よりニュータイヤが投入されたヨコハマタイヤ勢が上位を独占し速さを見せる結果となる。
専有時点では#32 市森選手14位、#90 阪口選手が15位とライバルに差をつけられた厳しい状況となる。
練習走行最後の3本目には#32 市森選手にトラブルが発生。コーナー立ち上がりでエンジンが吹けない症状が発生し、タイムが伸び悩む。翌日の予選までに原因と対応方法を考えなければいけない。
#90 阪口選手は担当エンジニアとの話し合いによりセットアップを変更し大きくタイムアップ。
9月30日(土)公式予選
9月30日(土)は決勝レースを大きく左右する公式予選が行われる。#32 市森選手は前日のトラブル回避に向け担当エンジニアと話し合い対応策を見出す。
両車共に予選開始と同時にタイムアタックを開始。まず#32 市森選手がコントロールタワーを通過。タイムは1分40秒048と思うようにタイムが伸びず。
続いて#90 阪口選手がコントロールタワーを通過。タイムは1分39秒688と通過時点でポールポジションを獲得。両車計測を終えライバルの計測を待つ。
PIT内でモニターを見つめライバルのタイムに一喜一憂する場面が見られる。予選終盤にいよいよヨコハマタイヤ勢が計測をスタート。
#90 阪口選手は3台に抜かれるも、ヨコハマタイヤ勢の間に入り込む4位を獲得。#32 市森選手は16位となる。
10月1日(日)決勝
10月1日(日)いよいよ決勝当日。天候は晴れ、気温も上昇し路面温度も高くなる中、各車決勝へ向けた整備を行う。
12時30分より13LAPで争われるレースがいよいよスタート。両車スタートを決め#32 市森選手は1つポジションをアップ。
#90 阪口選手は順位をキープしオープニングラップを通過。
決勝レースでもヨコハマタイヤ勢の速さが見られ#90 阪口選手は防戦気味となり、5周目に#287 山下選手に抜かれるも、その後は#17 織戸選手の追い上げを守りきり5位でチェッカー。
#32 市森選手は5周目にヘアピンコーナーで後続車両に追突され5台にオーバーテイクされる。
その後も前方車両へのプッシュを続けるも抜きどころの少ない菅生ではオーバーテイクできず21位でチェッカーを受ける。
優勝はポールトゥウィンの#82 谷口選手が2年ぶりとなる勝利を勝ち取り、ヨコハマタイヤ勢が1-2-3-4-6位を占める結果となった。
チーム コメント
大阪トヨタ86レーシングチームとしては、2戦連続となる5位入賞を達成する事が出来ました。但し、結果からも分かるようにヨコハマタイヤ勢の速さが目立つ結果となりました。
また、#32 市森選手は決勝レース中のアクシデントにより順位を落としましたが、次戦の鈴鹿に向け2台共に準備し3戦連続での入賞を目指したいと思います。
次戦は鈴鹿サーキットで開催されますので、是非とも応援の程よろしくお願いします。
#32 市森 友明選手
車も心もボロボロになりました。全ては予選の最終コーナーにつきます。 一番得意な菅生でこの結果は厳しいですが、次の鈴鹿にチャンスがある限り頑張ります!
#90 阪口 良平選手
十勝のクラッシュから続くオーバーステアをチームがしっかりとテストしてくれた事で予選では結果に繋げることが出来ました。
決勝では結果は5位ですが、やはりオーバーステアが強く、今のマシンでは精一杯の結果でしたね。

Vol.05,06 TGR 86/BRZ Race 2017 十勝スピードウェイ
2017.08.02
7月28日(金)プロクラス練習、専有
約1年振りの十勝スピードウェイ。この日の走行予定は練習走行が2本、86/BRZ専有走行が1本の計3本である。午後から雨の予報ということもあり、早い段階でのセッティングの方向性やデータ取りが要求される。
練習走行① 気温20℃、路面温度22℃。今にも雨が降りそうな中での走行となる。ベストタイムは#32市森選手が1分37秒42。#90阪口選手が1分36秒12と他チームとの比較でも上々の滑り出しとなる。走行終了前に雨が降り出す。
専有走行 気温20℃、路面温度22℃。降り出した雨も一時的にやみ、路面はかろうじてドライ。#32 市森選手1分36秒253で8番手タイム。#90 阪口選手1分36秒566で15番手タイムをマーク。
練習走行② ついに雨が降り出してしまう。気温20℃、路面温度22℃。今後の事も踏まえ、雨のデータ取りを行うべく走行に挑む。ベストタイムは#32 市森選手が1分43秒03、#90 阪口選手が1分43秒00。
予定していたメニューを全てこなし、ドライ、ウエット共にデータもしっかりと取れた1日となった。走行終了後、車両の点検、整備を実施し、明日の予選に備える。
7月29日(土)vol.05 予選
昨日の雨も朝になるとコースはドライ。公式予選もドライコンディションで開催された。このvol.05・vol.06十勝ラウンドは2戦でタイヤが計6本しか使えないため、いつも以上にチームのストラテジーが重要視されるラウンドとなる。
気温24℃、路面温度27℃。曇り空で風もなく過ごしやすい気候であった。
クリアラップを取る為にも出来る限り早くコースインさせる事が重要なこの予選、比較的早めに2台を並べる事に成功。10時55分、公式予選スタート。
早々と2台連なってコースイン。タイヤを温存しなければならない事もあり、2台ともに1周でアタックは終了。
#32 市森選手が1分36秒388で決勝14番手スタート。#90 阪口選手が1分36秒092で決勝4番手スタートを決める。表彰台、ポイント獲得の期待がかかる。
7月29日(土)vol.05 決勝
予選終了から約3時間後、決勝レースが開催された。曇り空も昼頃には雲ひとつ無い快晴となり、強い日差しが照り付ける。
気温30℃、路面温度35℃。このレースウィーク中で最高を記録する。ドライバー、クルマには過酷な状況となる。
予定より20分ほど遅れて10LAPで決勝レースがスタート。2台共に素晴らしいスタートを決めるが、#90 阪口選手が先行車とのバトル中に最終コーナーでスピン。
ポジションを大きく落としてしまう。その後、阪口選手は7周目にピットインし、使用可能な残りのタイヤに交換する。
翌日のvol.06のスターティンググリッドはこの決勝のベストタイム順で決まるため、それを睨んだタイムアタックに挑む戦略に切り替える為である。
一方の#32 市森選手はタイヤのグリップが厳しく、苦しい展開ながらも、先行する3台をパス。#32市森選手が10位入賞、#90 阪口選手が19位でレースを終える。
翌日の決勝グリッドは#32 市森選手は19番手、#90 阪口選手は13番手スタートにとどまった。
7月30日(日)vol.06 決勝
昨日の決勝のベストラップ順でスターティンググリッドが決まるこのvol.06。#32 市森選手が19番グリッド、#90 阪口選手が13番グリッドからのスタートとなる。
気温30℃、路面温度36℃。昨日同様強い日差しの中14ラップで争われる。
15時04分決勝レーススタート。vol.05同様2台とも素晴らしいスタートを決める。しかしながら1コーナー手前で#90 阪口選手と後続車が接触。
最終的に4台が絡む多重クラッシュとなる。このクラッシュで#90 阪口選手は再スタート出来ず、残念ながらそのままリタイヤとなる。
このクラッシュでレースは赤旗中断。セーフティーカーが導入され2周先導。車両回収の後、クラッシュで再スタートが切れない4台を除いた22台で再スタートが切られた。
再スタート後、膠着状態が続いたが、激しいバトルの末に先行車をパス。そのままの順位をキープし、最終的に14位でチェッカーを受ける。
チーム コメント
今回のレースではテスト走行やセッティングにも力を入れて何とか上位に食い込もうという意気込みで臨みました。
練習・専有走行、予選とチームとしては好調をキープしていたと思います。vol.05では市森選手の頑張りで何とか1ポイント獲得はできましたが、阪口選手につきましては2レースとも不運が重なった結果となってしまいました。
レースはそんなに甘いものではなく、結果的に足元をすくわれる形になり、もっとドライバーとクルー、チーム一体となってメンバー一人ひとりの力またお互いに認め合い協力し合うことがとても大切だと感じました。
今一度原点に戻り、もっとドライバーを支え良い車づくりをしていきたいと考えます。次戦は最善の準備で挑みます。引き続き応援よろしくお願いします。

Vol.04 TGR 86/BRZ Race 2017 岡山国際サーキット
2017.07.05
6月29日(木)クラブマンクラス練習
大阪トヨタ86レーシング初の複数台での参戦となったRd.4岡山国際サーキット。プロクラスは32号車 市森選手、90号車
阪口選手の2台。クラブマンクラスに861号車 社員ドライバー松島さんの計3台のエントリーとなる。プロクラスは7月1日からの始動となるため、この日はクラブマンクラスに専念。
1本目、気温27℃、路面温度28度。午前中に降った雨で乾ききらない路面状態での走り出しとなる。ベストタイムは1分56秒70。
路面状況を考えると、まずまずの滑り出しである。2本目、気温27℃、路面温度29℃、コースは完全ドライ。本番開始である。ベストタイムは1分54秒32。クルマの感触、タイムも上々で期待が高まる。
6月30日(金)クラブマン練習、専有
この日の予定は、練習走行1本、専有走行1本の計2セッション。だが、朝からの雨が止まず午前中の練習走行はキャンセル。午後からの専有走行に的を絞る。
路面は完全ドライで専有走行を迎える。気温30℃、路面温度31℃。周回を重ね、タイムも安定している。
計11ラップを走行して、ベストタイムは1分54秒87。52台出走中、総合12番手のタイムをマークした。
タイヤ内圧、燃費など予選、決勝に備えたデータもしっかりと収集できた内容の濃いセッションとなった。
7月1日(土)クラブマンクラス予選
この日からプロクラスの2台も加わり、3台全てが走り出す。まず初めにクラブマンクラスの公式予選。
朝方の雨で路面コンディションが心配されたが、昼頃には路面は乾き、予選開始の13時には完全ドライとなったが、気温35℃、路面温度38℃とコンディションは過酷である。
市森選手のアドバイスを受け、予選に挑む松島さん。アウトラップ後の2周目にアタック開始。
タイムは1分54秒58。市森選手の的確なアドバイスが功を奏し、決勝Aレース12番グリッドからのスタートを決める。
7月1日(土)プロクラス専有
クラブマンクラスの予選に続き、ついにプロクラスの始動である。気温36℃、路面温度41℃でクラブマンクラス公式予選以上に過酷なコンディションとなった。
2台連なってコースインするも阪口選手の90号車のエンジンが吹けず早々にピットイン。
原因を突き止めるべく診断をするが、これといった要因は見当たらない。万事休すかと思われたものの、コースイン後、周回を重ねるごとに症状は改善。
総合タイムでは市森選手の32号車が1分52秒28で3番手。阪口選手の90号車が1分52秒75で8番手。走行終了後、明日の予選に向けての車両整備、調整を行う。
7月2日(土)クラブマンクラス決勝/プロクラス予選、決勝
この日はプロクラス公式予選、クラブマンクラス決勝、プロクラス決勝とタイトなスケジュールに追われる。
★プロフェッショナルクラス公式予選
気温37℃、路面温度41℃。チームの作戦通り早々とコースイン。入念にタイヤを温めアタック開始。市森選手の32号車が1分51秒95で10番手。
阪口選手の90号車が1分51秒57で4番手タイムを叩きだし、決勝入賞に大きな期待がかかる。
★クラブマンクラス決勝Aレース
気温30℃、路面温度45℃。12番グリッドからスタートを決めた松島さん。
スタート直後、1コーナーでのアクシデントも無難にクリア。しかしこのアクシデントにより、3周に渡ってセーフティカーが導入される。
順位を守りながら周回を重ね、終盤8周目にはコースの一部で小雨が降り出すなど、松島さんもマシンも限界ギリギリの状態ではあったが11位をキープしたままチェッカーを受ける。
★プロフェッショナルクラス決勝
気温27℃、路面温度30℃。決勝直前に降り始めた雨は、あっという間に路面を濡らす。しかしスタート時刻に雨は突然止み、陽が差し込む。チームはグリッド上で、不安定な天候に振り回されることとなる。
ウエットのタイヤ内圧でスタートした90号車の阪口選手は苦戦を強いられる事となる。
4番手スタートの90号車阪口選手は1周目のヘアピンコーナーで1つ順位を落とし、5番手でレースを進めるがタイヤ内圧が高い状態でレースを運んだ結果、タイヤの限界が近づく。
徐々に周回ペースはダウン、順位も9番手まで後退してしまう。一方の32号車市森選手はスタート直前に内圧を少し下げてレースに挑む、苦しい展開ながらもペースを保ったまま10番手をキープ。
そのまま2台ともフィニッシュ。その後、上位チームの違反が発覚し90号車阪口選手が8位。残念ながらペナルティが課せられた32号車市森選手は24位という結果でレースを終える。
チーム コメント
大阪トヨタ86レーシング結成3年目にして、1台体制から3台体制での参戦に挑戦しました。
また社員のモチベーションアップの観点から、念願の社員ドライバーでの参戦と、ここまでの道のりは社員の皆様のご理解、ご協力、参加エンジニアの皆様の活躍で成し得る事ができたものだと思います。
後半戦に向け、一人でも多くの社員の方に、この86/BRZレースの活動にご参加頂ける体制を整えて参りますので、ご参加、そして応援よろしくお願いします。

Vol.03 TGR 86/BRZ Race 2017 富士スピードウェイ
2017.06.07
6月1日(木)練習走行
前日の雨が午前中まで残り、午後からのスタートなったレースウィーク。前回オートポリス戦の雪辱を晴らすべく練習走行に挑む。
しかし1本目のセッションからエンジン警告灯が点灯するという波乱の幕開けとなった。
メカニックの冷静な判断と迅速な対応、予定の遅れを取り戻すべく、チーム一丸となり各セッションのメニューをこなす。
刻々と変化する路面コンディションにセッティングが定まらない。不安と焦りの入り混じる中、時間だけが刻々と過ぎる。この日は課題を残したまま練習走行計4セッションを終えた。
6月2日(金)専有走行
昨日の天候から一転、 快晴に恵まれる。しかし 時折突風に見舞われ、パドックのテントが浮くアクシデントも発生。
この日は練習走行・専有走行の計2セッション。この2セッションで昨日の課題を克服しなければならない。
朝一のセッションは、コース清掃後ということに加え、路面温度も低いことからタイヤのポテンシャル(グリップ)を最大限に生かすことができ、マシンのセッティングが決めやすい。
結果的にこの練習走行でマシンセッティングの方向性が見えてきた。昼からの専有走行は翌日行われる予選時間帯とラップする。
マシンのセットアップが決まれば予選上位が見えてくる。
路面温度が15 ℃上昇するコンディションに翻弄され、23番手の順位に沈むが、セッティングやタイヤ内圧の方向性を確認できたことは収穫であった。
走行後の点検、車両整備を終え、明日の予選準備を整える。
6月3日(土)予選
昨日の強風も収まり快適な陽気に包まれる。公式車検を早々に済ませ、マシンを並べる準備に入る。
マシンのコースインタイミングも重要で予選タイムに影響を及ぼすことがあり、ここでも各チームの作戦が交錯する。
路面温度が昨日を超える39.1℃の状況の中、12時40分公式予選スタート。緊張の一瞬である。
早々にコースに飛び出し、アウトラップで入念にタイヤ、ブレーキを温める。市森選手のアグレッシブなアタックで好タイムが期待される。
しかし序盤でアウトラップ中の他車にラインを阻まれるというアクシデントに見舞われ、タイムを失う。
結果的に2分4秒444という18番手タイムに。(トップとのタイム差0.6秒)レースの世界に「たられば」はないのだがあのアクシデントが無ければ・・・と悔やまれる結果に終わる。
6月4日(日)決勝
予選終了後の車両保管が午前10時に解除となり、各チームわれ先にとマシンを回収し決勝に向け、マシンの整備を入念に行う。15時スタート進行。
路面温度31.5℃と昨日ほどではないがスタートまでは気を抜けない。決勝に駆け付けていただいた100名弱の応援者がグリッドで待っている。手には「GO A HEAD!!市森 友明」のプラカード。
ドライバー、チームクルーともに自然と力が入る。スタートの時間が迫り、グリッド上から応援者、チームクルーが離れ、オープニングラップがスタート。市森選手は車両フィーリングの最終確認を終え、再び18番グリッドに並べる。
エキゾーストノートが高まりスタート。
1コーナーまでの波乱とすり抜け、順位を一気に12番手まで上げるが、1周目後半、前方の車両に接触しコースから飛び出してしまう。その隙に数台にパスされ、17番手まで順位を落とす。
その後も果敢にアタックを試みるが、ペースも上がらない。膠着状態が続き、結果的に順位を1つ上げた17位でレースを終える。
チーム コメント
レースの世界に「たられば」はありませんが、予選のアクシデントがなければチームとして今シーズン最高のポジションを狙えただけに悔やまれるレース結果となりました。
しかし、チームクルー各々が自らのポジションを把握し、自身で考え行動する事などチームワークを実感できたことなどの収穫もあり、チームとして成長を感じるレースウィークであったと考えます。
次戦7月2日(日)岡山国際サーキットでは今回の悔しさをチーム力に変え、貪欲に順位にこだわりたいと思いますので、変わらぬご声援をよろしくお願いします。

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